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「円佳、結婚しよう。
付き合って一年経ってないから、結婚は早いかもしれない。だから、今は婚約だけでもいい。
僕は円佳と人生を送りたい。もう離れたくないんだ」
「え……」
彼は真っ直ぐに円佳を見てきた。驚きはあるけれど、ためらいは一瞬だった。
何もない土曜日のプロポーズ。
面白みもなくてサプライズもないけれど、彼からの求婚が一番の驚きだから、円佳に不満は全然なかった。
秘かに想いを寄せていた男性が、自分を一生の相手に選んでくれる……瞳が潤んだ。
「はい……私も恭貴さんと結婚したいです。ずっと一緒にいたいです」
円佳からの返事を聞いた恭貴の瞳も潤んだのが分かった。
結婚を決めた夜、二人は久しぶりに身体を重ねた。
あの日を忘れて前を進むための夜だった……
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