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翌日、恭貴は婚約指輪について訊いてきたけれど、円佳は必要ないと言った。
「なくて大丈夫です。今つけてる指輪がありますから」
指輪をする習慣がなかったので、今でも見ると少し赤くなるくらい。恭貴とお揃いだから、一人だけの指輪は必要ないと思った。
円佳の答えは分かっていたようで、恭貴は苦笑した。
「それなら、その費用は将来のために貯めておくか」
「それがいいです。節約しないと」
実際に結婚するのはまだ先だけれど、生活は現実でお金がかかる。余計な出費は控えたかった。
「節約するなら、一緒に暮らせばいい。家賃が一軒分になるから」
その言葉に今度は賛成した。結婚が具体的になってきたからだと思う。
「分かりました。引っ越し屋さんに見積りもらわないと駄目ですね。リサイクル屋さんにも連絡ですか」
家具家電はほとんど必要なくなる。
「分かった。明日にでも手配しよう」
同居を強く望んでいるのは恭貴だから、相当早く引っ越すことになりそうだと思った。
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