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円佳は、その言葉に一瞬驚いたけれど、すぐに気づいた。
二人は営業部に所属している。
披露宴をすれば、営業部の社員を呼ばないわけにはいかない。彼は部長だから余計に。
そうなると瑛都も招待しないとならない。恭貴としては、招待状を出すのも嫌だろう。
恭貴の両親も、息子の言葉で瑛都とのトラブルを思い出したようで、気まずそうに黙った。
でも、知らない円佳の家族からは不安になる言動だ。
「あの……何か不都合でも？」
父親が遠慮がちに尋ねたのは、身内の問題を思ったようだ。
「……不都合というか、営業部の中に招待したくない社員がいるものですから。前の結婚の時にいろいろありまして……
転勤してきたばかりですので、しばらくは本社にいると思います。ですので、招待しないわけには……」
彼の離婚歴は、家族に説明している。前妻の社内不倫が原因だと……相手のことはほとんど話していないけれど、事情は分かったはず。
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