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「何かあった?」
新堂家の子供たちは寝つきが良くて、ベッドに入れるとすぐに休んでくれる。親としては助かるし、夫婦の会話もしやすい。
でも、花野が合図をしているから、義隆が心配そうだ。
「うん……小西部長、採用者の構成に介入してきたの。
営業に適性のある人間をもっと採用してほしいって。常務も言ってるそうよ。聞いてない?」
小西部長-営業部部長が常務の権威を利用して、人事部部長へ採用に関する圧力を掛けてくる。聞いた義隆が渋い表情になった。
「僕には言ってきてない。
こっちに言うと、反対されるのは分かってるんじゃないかな。
営業だけ特別扱いするのは問題だって、常務も分かって言ってるだろうし……
ただ……売れてる時に攻勢かけないとならないとは言われてる。間違ってはいないから……」
義隆の口調がためらいがちだ。その気持ちは花野にも分かった。
今は人事部に所属する花野だが、営業部出身。
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