愛し子よ

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愛し子よ

綾子の家には、綾子の愛する者を食べなければ死んでしまう生き物がいる。 その生き物は、綾子の母方の一族についてくる存在だった。 母は自分についていたその生き物を、綾子が生まれた年に死なせた。 綾子を食べさせるか、生き物を餓死させるか。母は果てなく迷った末に、綾子を選んだ。 その母は綾子の生き物に食われて、3年前に死んだ。 父親は2年前。 弟は1年前。 綾子は今、生き物とだけ、一緒に暮らしている。
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