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第二検温所
私が案内されたロビーにはテーブルが用意されていた。
「どうぞお掛けください。」
その少し年輩の看護師さんは新たな体温計をナースポーチから取り出し、私に再度の検温を要求してきた。
「何度もすみませんね・・患者様?で良かったんですよね?」
「ええ、そうですが・・」
「今日はどのようなご用件でご来院されたのでしょうか?」
(検温の待ち時間を気遣ってか、それとも私の身体検査をするつもりなのか?)
「どのような・・ですか?・・そうですね・・もともと今日は泌尿器科の予約検診日なんです・・せやけど喉にちょっと違和感があるので、ついでに耳鼻咽喉科も受診したいな・・と思って。」
「喉?・・喉がどのように痛いのですか? 唾を呑んだ時はどうですか?・・咳はありますか?」
なんでや、私が『喉に違和感』と伝えた途端、息せき切ったように問い詰めてて来た。
・・アカン!この看護師さんもしかして私がコロナウイルスに感染してるって疑い始めたみたいや⁉
しかし今朝がた自宅で検温した限りでは34.8度だったし・・いくら自転車を漕いできたからと云っても・・あっそれか!それで体温が上昇したんか? そうや、きっとそうや!それならそれで、その自転車の説明をせんと面倒なことになってしまう。慌てたらアカン落ち着いて説明せんと!
「今のとこ咳は無いけど・・それより、どうして私が呼び止められたんですか?」
この際、私はストレートに尋ねてみた。
「検温の数値が少し変なんです。」
やっぱりや、高かったに違いない!でも自分では全然熱っぽくは感じないけど?
「えっ嘘⁉・・それで何度でした?」
「34度6分です。」
なんや、いつもの数値ではないか、なのにどうして彼女は私を引き留めたのだろう?そうか、低すぎる原因が検温器の不具合なのか、それとも私自身が異常なのか、その原因を知りたかっただけだろう。
「ピッピッ・・ピッピッ」
先ほど脇に挟んだ体温計が知らせてくれた。取り出した私自身が読み取ったところ・・
「34度8分です。」
私は読み取った数値を声にして、体温計を返した。
「低いでしょ・・いつもこんな感じです。私は驚きませんけど・・これって診てもらえるんかね?」
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