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「私は、あなたなんだから」
私は頭がおかしいのだろうか。
多重人格?それとも、これは幻覚?
ぐるぐると思考を巡らせていると、その女は勝手に上がり込んできた。
「ちょ、ちょっと、勝手に入らないでよ」
「はぁ?だってここ私の家だよ?」
「何言ってんの?出てってよ。警察呼ぶから」
「本気で言ってんの?それ」
「当たり前じゃん」
「あんたさぁ、警察呼ぶってのがどれだけ面倒くさいことになるか、わかってる?根ほり葉ほり聞かれて、なかなか返してもらえないんだよ?」
「構わないわよ、そんなの。見ず知らずの人間に不法侵入されて黙ってるわけないでしょ?」
「わかったわかった。出て行けばいいんでしょ?でも、私はあんたの一部なんだからさ。必ず、私が必要になるってこと、覚えといてよ?」
そう言い残し、女は出て行った。
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