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「はぁ?何言ってんの?お前」
こういう反応をされるのは想定内だ。
「頭おかしいって思ってるでしょ?」
彼はニヤニヤ笑っている。
元々、風変りな彼女が、またおかしなことを言い始めた、くらいにしか思っていないだろう。
「だからぁ、私の家に、私が居るんだってば」
「そんなの、当たり前じゃん」
「違うってば。私にそっくりな女が居るんだってば」
訝し気な彼を連れて、私は自宅アパートに向かう。
「ははーん、これはアレだな。新手のかまってちゃん攻撃か?」
まだ後ろでヘラヘラしている男の後頭部を思いっきりしばきたい。
「悪い悪い、最近、仕事で忙しかったからなあ。素直に家に来て欲しいって言えばいいのに~」
ニヤニヤしながら、後ろから肩を揉むその手を振り解いた。
自室の前に仁王立ちすると、私は、言い放つ。
「これから証拠、見せるから。びっくりするよ、きっと」
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