もどかしい想い Side ソル

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もどかしい想い Side ソル

「ねぇ、盗まれた物全てというわけにはいかないけれど、旅をするのに不自由しないくらいの物なら用意してあげられるわ?」 男たちが去り部屋に入るなりエストレジャは僕にそう告げた。 「すぐに出て行けという事ですか?」 「違うわ…でも、あたしと一緒だとあなたに迷惑がかかってしまうもの…」 「僕はエストレジャの事好きですよ」 そう、この名前も知らなかった感情は『恋』だ。 僕の勘を信じるなら、この人は僕の番となる人。 「―――さっき聞いたように同性は…ダメなのよ」 「お互いに好きなら問題ないでしょう?エストレジャは僕の事が嫌いですか?」 「―――――き…らい……よ」 「え……」 そんな答えが返ってくるとは思ってもいなかった。 僕はエストレジャの事が好き。エストレジャも同じように僕の事を好いてくれていると思っていた。 エストレジャも僕に運命を感じてくれていると思っていたんだ。 エストレジャの拒絶の言葉に心が凍り付く。 見つかるまで何百年かかっても探し続けるって思って旅に出た。 だけど旅に出てすぐに見つけたエストレジャ。 僕はもうエストレジャ以外と番になる気にはなれない。 どんなに素敵な人が現れたとしてもエストレジャ以上の人はいないと思うから。 僕の瞳からぽろりぽろりと涙が零れた。 まだ興味がないだけなら何年かかっても口説き落とすつもりだった。 だけど、嫌いと言われてしまっては―――どうすればいいのか分からない。
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