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田舎のベンツ?
走り屋と言われて、皆さんはどのように思うでしょうか。
とにかく走りというものを追求して車のあらゆるところを調整して、サーキットや峠を高いスキール音を響かせている人たちを思い浮かべることでしょう。
具体的な車種だと、直列6気筒のDOHCツインターボから叩き出す馬力のトヨタA80型スープラ、新型が登場したトヨタ86、300を超える馬力と青がお馴染みのスバルインプレッサ、その重量と見た目から不気味なオーラを放つ日産スカイラインGT-R、美しい見た目とロータリーエンジンの代表マツダRX-7、四輪駆動と280馬力を叩き出すエボⅢ、三菱ランサーエボリューション。
見た目のみならず、強力なエンジンや駆動方式で人々を魅了する車たち。
走り屋と言われるとこのような車を乗りこなしていると思いますよね。
僕の暮らす地域にも峠があります。
そして、走り屋の集団が走っていることが多いです。
噂によるとこの峠だけを走っているとか。
ある日、僕はその走り屋達が気になったので走る姿を見てみようと峠に行きました。
「おぉ、そろそろ来るぞ!」
「なんの車なんだ!?」
「お前しらねぇのか?」
「なんだ!?このエンジン音は……」
ギャラリーがざわつきました。
僕はそこまで車に知識があるわけではありませんが、そんな僕でもわかるなんとも重さのないエンジン音。
「きたぞ!!」
僕はその時、静かに衝撃を受けました。
「なにぃぃ!?け……軽トラだとぉ!?」
僕と同じように知らないギャラリー達はみんなそれを見て叫びました。
先の見えない曲がり道から車体を滑らせて勢いよく飛び出してきた2台は、なんと軽トラでした。
ツインドリフトと呼ばれる2台が同じ角度、同じ速度で近い距離で並んでのドリフトです。
そして両方軽トラという…………。
僕の地元には、軽トラの走り屋がいます。
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