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美幸が泣いて爆発し、職員が消火に当たる。デイケアは毎日カーニバル。
職員がメンバーの負の欲求に合わせること自体が問題だったが、デイケア、まっぷるでは朝のニュースの時間も、昼のゴールデンタイムも兵隊ポルノ一色だった。
レクリエーションの時以外は、常に同じチャンネル。
梢はBL小説を楽しむことはあったが、俳優ならともかく、生の男性兵隊が同性でからんでいるのを見ると無理強いされた虐待にしか見えず、吐き気がした。
デイケアはレクリエーションに力を入れる所、患者の休息に重きを置くところ、楽なところを探せばいくらでもある。
しかし、まっぷるの大画面TV、終日ポルノダダ流しはおかしかった。
精神衛生上よくない。
職員以外に、チャンネル権を持ってるのはTV流しっぱなしでないと生活が成り立たない類の古株メンバーだ。
老いも若きも、男も女もいる。
「ああ、今日もこの番組か」
「つまらないねえ」
「ああ、つまらない」
「本当につまらないね」
梢は古株軍団に訊ねた。
「じゃあ、消していいですか」
「駄目だよ。ついてないと何していいかわからないよ」
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