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夏至の日の前日、リクはいつものようにシロのところにやってきた。
「シロ、明日は夏至の日だよ」と嬉しそうに言う。
シロは、そうだね、と言う風にゆらゆらと頷いた。
「今日僕すごい話を聞いたんだ。」
なにかな?とゆらり、とシロが揺れる。
「なぜ僕たちの国がずっと冬なのかっていう話さ。それはね、「冷たいひと」のせいなんだって」
シロは動かない。
「「冷たいひと」は昔どこかからやってきて、この国に住み着いてしまったんだって。真っ白で見上げるくらいに大きくて、すごい牙が生えていて、目は燃え盛る炎の様で、子供を見つけたら連れて行って氷漬けにして、洞窟に飾っちゃうんだ」
とんでもない、と言う風にシロの身体がブルブルッと震えた。
「ね、怖いだろう?」
でね、とリクは続けた。
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