愛情

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あの人が冷たくなったのはいつからだろ。 そう、あのとき。あのときからだ。 ピンポーン! 裕美は飛び上がらんばかり。 わたしが嫌いなドアチャイムの音。いつもドキッとしてしまう。相手が誰だか分からないのに、いえ、誰と分かったとしても不意に鳴らされると心臓が早く打つ。わたしだけ?ほかの人はどうなのかしら? 「やあ、帰ったよ」 「お帰りなさい」 夫の和也が、いつもより幾分上機嫌で帰ってきた。 心臓の高鳴りがまだ続く中、わたしもいつも通り迎えた。 どこをどう見て和也の機嫌が良いと判断したのかは自分でも分からない。例えば声。表情かもしれない。オーラ、なんて見えないし。全体的な雰囲気とでもいったほうが当たってるかもしれない。
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