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「ねえ、あたしといつ結婚してくれるの?」
「んんっ、またその話か?もうちょっと待ってくれ。いろいろとあるんだ」
「いろいろって?」
「いろいろだよ、いろいろ」
「じゃあ、そのいろいろはいつになったら解決するの?」
「ふふ、怒らないでくれよ。俺が愛してるのはキミだけなんだから」
「もう!また、そうやってはぐらかす」
ベッドの上で和也は妻ではないその人を抱きすくめた。
和也のもうひとつの生活。
この美里との関係はまだそれほどでもない。二ヵ月と少し。
でも、かなり話は進んでいる。進んでしまったというべきか。これは美里の性格によるものが大きい。
和也にすれば、それほど深入りするつもりもない。この雰囲気を楽しみたい。
「さ、そろそろ行くか」
「ええ、もう?」
わざと「行く」と言う。ここが本当の帰る家というように。
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