愛情

7/11
前へ
/11ページ
次へ
和也は美里としばらく距離を置くことにした。 元々、同じフロアで働く顔見知りから始まった関係。結婚してることも知っていて、それでいて分かっていて付き合ってたはず。なのに、口うるさくされてはかなわない。 不意にふたりきりになった。和也は、そうならないように気をつけていたのに。 「最近、あたしを避けてない?」 「いや、そんなことないけど」 「ん~~ん、絶対そう。避けてる」 「そうかなぁ」 どう言おうと、ふたりの関係。避けているのは口にせずとも分かる。それでも和也は平気で白を切る。 「あたし、ひどいことしちゃうから」 「え、やめなよ。こわいなぁ」 「じゃあ、家にきて」 「ああ、そのうちに」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加