0人が本棚に入れています
本棚に追加
トゥルルルゥーー
裕美の胸はドキッとした。
急な電話。当たり前だが電話をするほうは相手の様子が分かって電話をしていない。だから急。
裕美からすれば、もうそろそろ電話がなりますよ、と知らせてもらってから鳴らしてほしい。
心臓の高鳴りを抑えながら電話を取った。
「はい、もしもし」
「あたし、和也さんと……」
美里の電話を取った裕美の心拍数はさらに早くなり、そして落ち着き、次第に静かになっていった。
「ええ、ぜひ会ってお話を……」
裕美は電話に出てすぐのときよりも、何故か、美里が和也との関係を告げたあとの方が冷静だった。取り乱したりもせず、かといって嘘だと言って取り合わないこともなく、会ってももいいとまで言った。
最初のコメントを投稿しよう!