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「では、白石くんを歓迎致しまして、乾杯!」
池上修二の掛け声とともに、グラスたちが高々と掲げられた。
半年くらいまえに中途採用された白石の歓迎が、今更執り行われた。
部署柄、参加人数は37名と多かったため、宴会用の座敷部屋が用意されていた。
そんな中、周りなどに目も暮れず、ひたすらコース料理を見つめる男がひとり。
康夫だ。
白石などどうでもいい。
康夫の頭の中は、いかにしてこの豪勢な料理を食すかでいっぱいだった。
ただ、何も考えずにひたすらに胃の中へぶちこむのはただの豚だ。
だがこの俺は違う
と言わんばかりに、目をギラつかせていた。
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