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◆◆◆◆◆ 「—————?」 雪だ…。 見渡す限り、雪が降っている…。 さっきは晴れていて、月まで見えていたのに。 しんしんと大粒の雪が降り続く。 しかし寒くない。 冷たくもない。 ーーーこれは、夢? 俺は月明かりも星灯りもないのに、ほんのりと明るい雪の中を進んでいった。 と、茅葺屋根の家に行き当たった。 祖父ちゃんの家? いや、違う。 祖父ちゃんの家だったら、ちゃんと雪が履かれているし、灯りがついているし、大根とイカの煮つけの匂いもするし。 「……うまかったな。大根。ちょっとしょっぱかったけど……」 呟きながらも、足は止まらない。 止めることができない。 そのまま前進し、誰が住んでいるかもわからない茅葺屋根の家に吸い込まれてく。 ドアを開ける。 「………、………!………っ」 中から低い話し声。 「ああっ…!!ぐ、ああ!」 いや、悲鳴? 「……っ、あ……。うう……ん」 否、喘ぎ声…。 ーーーー見てはいけない。 誰かが忠告する。 しかし俺の身体はとっくに自由を失っている。 俺のものとわかる手が、障子の溝に指を掛ける。 一気に右に開け切る。 「………………」 初めに飛び込んできたのは、白い身体だった。 女? いや男か? よくわからない。なぜなら―――。 その体は無数の巨大な黒蜘蛛に覆われていた。 「————うわ……!」 思わず悲鳴を上げた俺を、その彼女だか、彼だかわからない人物が見上げた。 その桜色の唇が、ゆっくりと動く。 タ  ス ケ テ ◆◆◆◆◆
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