契約更新

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そう思ったらいてもたってもいられなくて、仕事終わりにドキドキしながらメッセージを送った。 【今日会えないかな?】 何て送ったらいいかわからず、散々考え抜いたあげく出てきたシンプルなメッセージ。 見てくれたかな、とそわそわして何度もスマホを確認してしまう。 けれど既読にはならず返信も来ずで、私はそわそわしたままいつも通り病院へ向かった。 20時の蛍の光が流れて外へ出る。 結局だいちゃんからの返事はなかった。 仕事、忙しいのかな? そう思うと同時に、もしかして迷惑だったかなとか考えてしまう消極的な私。 恋人の契約は終わっているのに会いたいだなんて、おこがましいにも程がある。 「はぁ。」 思わず漏れたため息に苦笑しつつ、歩き出す。 外はすっかり暗くなって、肌寒くなりつつあった。 今日もまた、いつもと変わらない日が終わろうとしている。 「咲良。」 突然名前を呼ばれて、足を止める。 振り向くとそこにはだいちゃんが立っていた。 「だいちゃん?」 「ごめん、遅くなって。」 若干息を切らしているだいちゃんは、もしかしたら走ってきたのかもしれない。 私はポケットの中のスマホを取り出す。 私が送ったメッセージには、“既読”の文字が表示されていた。
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