おひめさまは なかない

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「わたしはまじょ! マオひめよ、サトシおうじはつれていくぞ!」  くろいマントをきたカナちゃんにそっくりなまじょが、おうじさまのかっこうをした サトシくんのてを つかんでいます。 「やだ! つれていかないで!」  ようちえんのおすなばでのことを、おもいだしてかなしくなりました。 「マオひめよ、ないたらサトシおうじにはもうあわせないぞ」 「そんな!」 「サトシおうじをかえしてほしかったら、やまをこえ、おおきなかわをこえ、よると、ゆきのまちをこえてこい! そこでまっている」 「たすけて、マオひめ!」 「いちどでもないたら、サトシおうじはかえさないからね」  まじょはマントをひるがえし、サトシおうじといっしょにきえてしまいました。    ひとりぼっちになったマオちゃんは、すぐになきたくなりました。  だって、パパもママもいません。  ひとりぼっちです。  
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