放課後バレンタイン【短編】

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 そんなわけで学校にたどり着き、1限の前のスキマ時間に俺氏の駆け込み彼女作成計画を時康と相談することにした。時康にそんな欲しいならチョコ買ってやるよとか言われたけど、いや、そういう問題じゃないし、彼女アリは彼女ナシの心境全然わかってないよね、チョコに透ける愛がほしいんだっつーのってことで丁重に断っていると、坂やんがやってきた。 「バレンタインの話? 俺、中根(なかね)さんからチョコもらえるかな?」 「もらえる可能性があるだけまだマシだっつーの」  この間、坂やんは同じクラスの中根さんに告ったばっかり。結局うまくいったのかどうかはよくわからない。坂やん的に。  なんでかっていうと。 「付き合ってください!」 「付き合いましょう!」  という雄々しいやりとりがなかったからだとさ。いや、前半は実行したみたいなんだけどさ。  俺と時康は頭を抱えた。 「いや、お前何言ってんの? 女子がそんな友★情★対★決みたいに血潮ほとばしらせたりするわけないじゃんか」 「え、そうなの?」  彼女いたことのない俺氏にもわかるわそれは。  そもそも坂やんが中根さんに告る場所は俺と時康がプロデュースしたんだよ。なんか色々聞いててこいつダメだと思ったからさ。そんで結果は結局、『よくわからない』だ。
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