氷の魔王

5/8
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「海風が身にしみるね寒い寒い。スタバで温まろう」っとゆず。 私はあなたの冷たい態度でもっと冷えてますけど…。 頼もうと思ってたものを彼が先に言うものだから 同じものをと言うのも気が引けて別のを選んだ。 スマホを見るゆずの隣で自分もアプリゲームをいじる。 興味ない態度あからさまに見せつけられるとこっちも そういう態度で対抗したくなる。 なによカッコいいからって調子に乗ってるでしょ。 俺に惚れないでくれオーラ出してる気がした。 「日も暮れてきたし、そろそろ帰りますか」っとゆず。 「はい」 本当は家の近くまで送って貰いたかったけど一駅遠くで 降ろされる。付き合ってる彼氏になら言える事なのに。 言えないこの遠慮のある関係はいつまでたっても 変わらない距離感になるだろう。 最初から相性のいい相手だと言いたいことが 言いやすい雰囲気を持っているものだから。 「今日は有難うね。またね」とゆず。 「こちらこそ有難う」そういうと車を降りた。 体が急に暖かくなる。氷の魔王と離れたからだろうか。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!