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新たなる人物達
「ヤメテ!私の大好きな、お父さんを徐霊なんて許さないから。お願いだからヤメテ!」
そこには、小さなオバさんが居た。
そのオバさんは、白のタンクトップに水色の縦線の入った短パンを履いていた。
「あんた、誰よ!次から次に何なのよ!しかもペアルックかよ。」
もはや、怖さなど無くなって、気持ち悪さだけが残る。
「私は、このお父さんの妻よ。徐霊なんてヤメテ!お願いだから。」
「あんたも一緒に住んでたの?気持ち悪い。一緒に徐霊するから!」
「ヤメテくれよ!お父さんもお母さんも、いつも、あなたの為に色々やってきたんだよ。俺達さ、幽霊だから物とか動かすの大変だけどさ、あなたが寝坊しそうな時とか頑張って皆で身体揺らしたり、物を落としたりして、起こしたりさ、夏だってエアコン温度が低くて、風邪引かないように、毛布かけたりさ、色々やってきたんだよ。だから、お願いだから徐霊とかしないでよ。」
「そっかぁ、色々とやってくれたんだね。
って、オイッ!誰だよ!」
そこには水色のタンクトップに白いトランクスの小さい男が居た。
「俺は息子だよ。今まで家族であなたのサポートをしてきたし、これからも、あなたのサポートをしていくよ。だから徐霊なんてしないで。」
又々、急に押し入れから白いタンクトップに水色の縦線の入ったスカートを着た女が出て来て喋りかけてきた。
「そうそう、色々とバレないようにサポートしてきたのよ。私達。」
「何人出て来るのよ!あんたは誰なのよ?」
「私は2人の娘で、この子の姉よ。皆を傷つけたら許さないわよ。徐霊なんて、4人分費用がかかるんだし高額になるわよ。だから、一緒に皆で仲良く暮らしましょうよ。私達、あなたのサポートもするわよ。」
「私達、仲良く暮らしたいだけなの。だから、あなたの邪魔しないから。私達、家族で皆、殺されちゃったけど、あの世に行くタイミング逃しちゃってさ、でも生きてた時から、うちの家族みんなポジティブだし仲良しだから、こんな風に楽しく暮らしてるんだよね。いつか私達の為に高額を払って浄霊してくれる人が現れる時を待ってるんだよね。」
何か心の中に切ない感じや温かい感じがして、私の心はジーンと温まるのを感じた。
今まで感じた事の無い感覚だった。
悲しい出来事があったけど、こんなポジティブになれる理由も、家族の愛も知れる気がした。
「わかったわよ。じゃあ、徐霊は辞めてあげる。ここで一緒に暮らしてもいいけど、ちゃんと私のサポートも、お願いしますね。」
「ありがとう!」
皆が一斉に言った。
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