温かな気づき

1/1
前へ
/7ページ
次へ

温かな気づき

ピピピピピピピッ カンカンカン アラームに金属音 目を開けると、お姉さんがベッド枠の金属部分をフォークで叩いて鳴らしている。 「おはよう。目覚めは悪いけど起こしてくれて、ありがとう。」 新たに仲良し幽霊家族との生活が始まった。 朝、顔を洗い、歯を磨き、化粧をする。 化粧を終えると鏡の横に立つ弟が一生懸命、笑顔で変な動きをしている。 それを見て私はプフッと吹き出してしまった。 「やっぱり、玲奈は、笑顔が良いよ。」 「弟君、ありがとう。」 テレビを見ながら朝ごはんを食べる。 今日はパンにスープ。 猫舌なのを知ってるのか、ふと見ると、、 お母さんがスープを、フーフーと冷ましてくれている。 「お母さん、ありがとう。」 あっ!もうこんな時間!急がなきゃ遅刻だ! バタバタと準備する。 「行ってきま~す!」 あっ、テレビ消し忘れたと後ろを振り返ると今度は、お父さんがテレビを消してくれた。 「お父さん、ありがとう!みんな行ってくるね!行ってきま~す!」 みんな、一斉に、 「行ってらっしゃい!気をつけてね~。」 私は会社に向かいながら、皆の事を考える。 朝から、ありがとうと感謝の気持ちを伝え、笑顔で過ごすのって気持ちがいいな。 今まで私は笑顔もほとんど無かったし、始めて、こんなに沢山の笑顔をする事が出来たな。 何だかホッコリ。 こういうのが、家族の温かさなのかな、、? 今日は会社でも笑顔をしてみよう。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加