るるのしあわせクッキー

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「おかあさん!」 「まぁ、るる!?」  おかあさんは、るるがひとりでむかえにきたのでとてもおどろきました。 「おかえりなさい!」  るるは、おかあさんにだきつきました。  そのとき、てにもっていたつつみがじめんにおちてしまいました。  あわててつつみをひらくと、さいごのいちまいだったクッキーは、ぼろぼろにわれていました。 「それ、どうしたの?」  おかあさんが、ふしぎそうにのぞきこみます。  るるは、われてしまったクッキーをポケットのなかにそっとかくしました。 「なんでもないよ」  るるは、かなしくてなきたいきもちもいっしょにポケットのなかにかくして、おかあさんとおうちへかえりました。  げんかんをあけると、おばあちゃんがまっていて「るる、これをみて」といいました。  そこには、かごいっぱいのきのみと、ふくろいっぱいのきいちご。  きのみのかごには、 「るる、クッキーをありがとう。ぼうしみつかったよ! りすより」  きいちごのふくろには、 「るるちゃん、クッキーをありがとう。あかちゃんもおいしそうにたべていたわ! うさぎより」  とてがみがついていました。 「るる、みんなにしんせつにしてあげたのね」  おかあさんはうれしそうにるるのあたまをなでました。 「でも、おかあさんのぶんのクッキーがなくなっちゃったの」 「あら? そこにあるんじゃない?」  おかあさんがゆびさしたのは、るるのポケット。  ぼろぼろのクッキーをとりだすと、おかあさんはぱくりとひとくちたべました。 「おいしいわ! るるのやさしいきもちがつまってるから、かたちなんてかんけいないのよ」 「ほんとう?」 「ほんとうよ。そうだ、このきのみときいちごをつかって、もういちどクッキーをつくりましょうか。こんどはおかあさんもいっしょにね」 「うん!」  るるのおうちでは、あまいかおりとたのしいわらいごえが、よるまでつづいていたのでした。  おわり♪*゜
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加