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「おかあさん!」
「まぁ、るる!?」
おかあさんは、るるがひとりでむかえにきたのでとてもおどろきました。
「おかえりなさい!」
るるは、おかあさんにだきつきました。
そのとき、てにもっていたつつみがじめんにおちてしまいました。
あわててつつみをひらくと、さいごのいちまいだったクッキーは、ぼろぼろにわれていました。
「それ、どうしたの?」
おかあさんが、ふしぎそうにのぞきこみます。
るるは、われてしまったクッキーをポケットのなかにそっとかくしました。
「なんでもないよ」
るるは、かなしくてなきたいきもちもいっしょにポケットのなかにかくして、おかあさんとおうちへかえりました。
げんかんをあけると、おばあちゃんがまっていて「るる、これをみて」といいました。
そこには、かごいっぱいのきのみと、ふくろいっぱいのきいちご。
きのみのかごには、
「るる、クッキーをありがとう。ぼうしみつかったよ! りすより」
きいちごのふくろには、
「るるちゃん、クッキーをありがとう。あかちゃんもおいしそうにたべていたわ! うさぎより」
とてがみがついていました。
「るる、みんなにしんせつにしてあげたのね」
おかあさんはうれしそうにるるのあたまをなでました。
「でも、おかあさんのぶんのクッキーがなくなっちゃったの」
「あら? そこにあるんじゃない?」
おかあさんがゆびさしたのは、るるのポケット。
ぼろぼろのクッキーをとりだすと、おかあさんはぱくりとひとくちたべました。
「おいしいわ! るるのやさしいきもちがつまってるから、かたちなんてかんけいないのよ」
「ほんとう?」
「ほんとうよ。そうだ、このきのみときいちごをつかって、もういちどクッキーをつくりましょうか。こんどはおかあさんもいっしょにね」
「うん!」
るるのおうちでは、あまいかおりとたのしいわらいごえが、よるまでつづいていたのでした。
おわり♪*゜
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