第1話 無駄に女子力たけぇじゃねえか(と、お花見)

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「で、何?」 「何が?」  なんで私の部屋に、死神がいるんだよ、ってこと。 「いや···僕も、なんで呼ばれたかわからない。」  あんな派手な演出で『なんで呼ばれたかわからない』と···。 「ほんとに、わからん。」  あ。  私は、初めてあった人に必ず聞かなくてはならないことを思い出した。 「···今更だけど···名前···、教えてくれない?」  というと、男の子はため息をついて言った。 「僕はラニ。っていうか、お前の名前も知らないんだが。」 「あ、そうそう。あたしは白神夜空。よろしくね。」  ······ん?ちょっと待って。あんた、そんなに口が悪いのに一人称が『僕』?なんで私は、今まで気づかなかったんだろう。こんなに可愛いのに···。  いつの間にか私は、ラニくんの頭をなでていた。 「ちょ、やめろって!」 「うわあ···。」 「『うわあ···。』はこっちのセリフだ!」  こうして、私とラニくんの共同生活は始まったのであった。(······男子はあんまり、部屋に入れたくないな。)
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