呪いがあっても

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呪いがあっても

「はぁはぁはぁ・・・」 俺は追われていた。 とある魔女の秘術を見たために。 俺は巨人族だ。 大抵の種族は俺の敵ではないが 魔法を使う魔女だけは勝ち目が無い。 そこで必死になって逃げているわけだが 森が突然開けて湖に出た。 「も、もう。走れねぇ」 俺の本来木を切る斧は 魔女の放った使い魔を切ったので 刃がボロボロになっている。 俺は肩で息をしながら 湖に近寄り水を飲んだ。 「ほほほほ、まぁよくもこの魔女を 手こずらせたこと」 俺はハッと後ろを振り向いた。 そこには全身黒ずくめの 魔女が立っていた。 「ほほほ、逃げ回るお前を見ているのは 楽しかったわよ。 そのご褒美に魔法をかけてあげようねぇ。 〜#$`&%$*!」 歯噛みして睨みつけるだけの俺に 魔女の魔法が絡みつく。 そして気づくと俺は小さくなっていた。 「ほほほほ、愚かな巨人族の男よ。 これからは親指族として生きていくがいい。 ほほほほほ」 そう言って魔女は消え去った。 俺は今まではただの草だった場所が 大木の様な大きさになっているのに 呆然とした。 その時、ガサガサと今は大きくなった 草の間から若い女性がでてきた。 「親指族?」 さっき魔女が俺にそう言っていたので 何とはなしにつぶやいた。 するとその女性は首をこてんと傾げて 「そうだけど、あなたもそうでしょ。 どうしたの?」 俺は彼女に事情を話した。 話を聞いた彼女は俺を 親指族の村に誘い、村人たちは受け入れてくれた。 まぁ、結論から言うと 巨人から親指族になったわけだが、 身体能力は変わらないので、 俺は農作業や虫を倒したり 巨人族の時と変わらずの生活を送った。 そして俺は彼女と結婚した。 家庭を得て、俺は幸せな人生を送った。 了
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