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長瀬はフロント係員に最終確認をする。通常行う予約時に伺った食事時間、好み、アレルギーの確認を本郷様は嫌う。サインだけでをいただく様にの確認だ。次にルーム係にインカムで確認、奥様の好みの雑誌、浴衣、ルームシューズのサイズ。ご主人が好むウェルカムドリンクの冷し具合と奥様の好みの紅茶葉。
川村がモニター確認
「本郷様到着、同時にタクシーでGOTOトラベル利用3名の若い女性グループ、名前は原田様。エントランス担当に先に本郷様をお通し出来るタイミングを調整する様指示」
「了解しました」
「長瀬!」
「承知しました」
長瀬は本郷様の宿泊カード一式をラウンジソファーに移動させる様指示をした。初めての、しかも若い女性はまれにうるさい時がある。特にGOTO利用のお客様はこの機会に普段は手の届かないホテルに泊まる事が出来る為気持ちが高ぶり、なおのこと可能性が高い。同じフロントでのチェックインを避ける為だ。それを長瀬は瞬時に川村の意を察する事が出来る。
本郷様がサインをし始めた時、長瀬が小さく左手を挙げエレベーター前に待機している係員に合図をする。サインを終えた本郷様は何も停滞する事なくエレベーターに乗り込んだ。
川村から次のゲストの情報が入る。ご家族連れのお得意様だ。長瀬はフロントと案内係に指示をする。次のお客様は部屋迄のご案内を嫌われる方だ。チェックイン手続きをしている間に荷物を先に部屋に運んでおく。
ホテルのチェックイン時は戦いだ。
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