二月といったらチョコなのですよ♪

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「チョコレート彫刻かぁ。会場やっぱりちょっと寒いかな? 」 「まぁ暖房ガンガンたいたらチョコが溶けちゃうしな」  いったん、スタジオに集まってそこから会場までゾロゾロと歩いていく。俺の杞憂をタッくんが即答した。 「でもまぁチョコでも彫刻にしてもらえるんなら、私たちの名前は残りそうだね」  確かにタッくんの言うとおりだ。彫刻になるモデルなんてそうそういないはず。 「タッくん様のチョコ彫刻なら買いたいですわ! 」  束砂さんが口にした瞬間、ほんもの女子たちも盛り上がる。 「私は五丁目さんのチョコ彫刻欲しい! 」  更紗さんは五丁目さん推しだからなぁ。 「私はうたうものさんの! 」  はろんさんはやっぱりうたうものさんさんか。 「私はやっぱり瑠璃くんがいーなー」  薫蘭風ちゃんの一言に俺の顔は赤くなる。 「ほほう。若いとはいいなぁ。お父さんも瑠璃のチョコ彫刻がいいけどね! 」  親父、あんたには聞いていない。 「俺らもやっぱり瑠璃かなぁ」  ごめん大と徹、お前らに聞いてない。てか聞きたくない。  会場に着いて中に入ると一番最初にアッキーとマッキーのチョコ彫刻があった。 「この並び、狛犬みたい」 「私たちは番犬ですね」  等身大のチョコ彫刻にアッキー&マッキーはご満悦。これは期待できるな。  奥に行くと、五丁目さんとタッくんのチョコ彫刻が待ち構えていた。衣装のシワまで再現されているチョコ彫刻はまさに芸術。 「これは欲しい……。私が私のチョコ彫刻をいいと思うなんて……。私はやはり安くない」  五丁目さんがよく分からないことを言っているがつまりは感動したのだろう。  続いてげたんわくんのチョコ彫刻が姿を現す。 「うわー。ムキムキだぁ」 「俺、ここまでムキムキじゃないもん! 」  感動する香多くんに、むきになるげたんわくん。確かにちょっと誇張されているかな?  次に現れたのは香多くんのチョコ彫刻。 「素晴らしい! お胸の平らさがロリの醍醐味! 何という再現力! しかも水着の香多くんだと!? 」  親父が鼻息荒くしてて、香多くんがエヘヘーと照れている。相変わらずよく分からない関係性だな。  本乃編集長は今日は個展のスタッフみたいだから、俺らとは別行動。ただ、ミニスカから伸びるセクシーな足のチョコ彫刻見たら、さぞ喜ぶだろう。  うたうものさんは魔性属性らしく足を組んでいるセクシーなポーズをしている。本当に再現率が高い。  目玉はやはり良くんのチョコ彫刻。人だかりができてる。流石一番人気。これは俺のチョコ彫刻も楽しみだなぁ。  みんなでゾロゾロ歩いていると黒いマントをまとった人が俺に近づいてくる。 「君が瑠璃くんだね? 」  うわぁ。変な人に声かけられたよ……。 「そうですけど、何か? 」 「うふふ。私が今日のチョコ彫刻を作った彫刻家です。私は瑠璃くんが気に入ってね、一番力を入れさせてもらったよ……」 「本当ですか!? 楽しみーー! 」 「さぁこっちだ」  と案内されて辿り着いた俺のチョコ彫刻。それは違和感バリバリだった。顔は俺。背格好も俺。衣装も俺。ただ胸だけやたら巨乳に仕上がっていた。 「あの……これは……」  全員がポカーンと口を開ける中、俺は恐る恐る彫刻家に聞いてみた。彫刻家はにっこり笑って親父の肩に手を置く。 「この方のリクエストだったかな? 」 「親父ーー! 俺を勝手に巨乳化さすんじゃねーよ! 」  だってそうだろ! 俺のチョコ彫刻見たファンがガッカリしてるじゃないか!  親父にかかと落とし一撃。親父は崩れ落ちながら呟く。 「お父さんは……、お父さんは、ロリに巨乳など、期待しないから……」  俺はハッと正気に戻る。気がつくと彫刻家が逃げていく。 「あはははは! ロリ巨乳は私の趣味だ! 瑠璃くんの巨乳姿が見たかったのだよーー! 」  俺が追いかけようとした瞬間、間に伊織先生が立ち塞がった。 「瑠璃、ストップ! あの方はゲストだから、かかと落とし禁止! どうせ出オチキャラだから逃がせ! 」 「でも! 」 「腹が立つのは分かる! だから丈夫なげたんわくんで八つ当たりするんだ! 」 「なんで俺!? 」  伊織先生がげたんわくんを俺の前に押し出す。 「俺はつるぺたロリだから需要あるんだーー! 」  言われたままにげたんわくんのほっぺを俺はバチーンとひっぱたいた。 「残念キャラが受難する世の中なんて嫌いだ……」 げたんわくんはそう言って崩れ落ちた。
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