目も手も声も。

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目も手も声も。

物音がしないことなんてない騒がしい社内で、何故かあなたの声だけは拾える。 不思議でしょう? それがいつからだったのか覚えてもいないのに、 今はもうあなたの声を拾うと笑える元気をあなたから貰ってる。 「お疲れ」と短く言ったあなたが、 私の手首を握って手のひらを上にして置いた一口チョコを、 食べられずに引き出しにしまっている。 どれくらいたまってるか、あなたはきっと想像もしないんでしょう。 たまたま自販機の前で会った時「奢ってやるよ」と笑って、 いつも飲んでるお茶を買って、蓋を開けて渡してくれたのを「モテるでしょ」と軽く睨んだら、 「ご想像にお任せします」とあしらったあなた。 私以外の人にモテなくていいのに、他の人があなたの容姿を褒めていると「そうでしょ?」と胸をはりたくなる。 同担拒否は私には無理らしい。 あなたを追い捉えた時にはたぶん、私の目はいつもより大きくなってあなたの姿をこれでもかと写してる。 あなたの手に触れられた時にはたぶん、私の体温はきゅんと下がって上がって忙しなく身体中をめぐってる。 あなたの声を聞いた時にはたぶん、私の耳は真っ赤になって夢の中でも聞けるように録音してる。 あなたの目も手も声も、 私からのそれを喜んでいたらいいのに。 私の目も手も声も全部であなたに夢中なんだから。 ✱前ページにコメントを下さった方、ありがとうございます。いつも大好きです!!! ☆を下さった方、ありがとうございます。 コメントがなくてもいただいた気持ちでいます。 長編を望んで下さった方が多くおられましたが、体力的にも精神的にも長編を書くことは難しいので、こちらの短編集では続きのあるお話しを書けたらと思っています。 どエロのものも切ないものもほんわかするのも気の向くまま書いていきますのでお付き合い下さる方がおられましたらよろしくお願いしますm(_ _)m
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