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ふと背後から聞こえたそのやりとりは、人間とその者のパートナーであるアンドロイドロボットだった。
澄んだ青い瞳。柔らかそうな亜麻色の髪。整った顔立ち。
あれこそが、一般的なアンドロイド。そしてーーあるべき関係なのだ。
本来、パートナーであるアンドロイドは人間に意見することを禁じられている。そう、プログラムされているのだ。
しかし、わたしにはそのプログラムによる制御がない。
視線を弥生に向ければ、彼はレジで会計をしている最中だった。
弥生を見つめながら、わたしは思う。
辞めようと思えば、わたしは弥生のパートナーでいることを辞められる。見捨てようと思えば見捨てられるし、傷つけることもできる。
ーーわたしを見捨てた、人間たちのように。
量産されたアンドロイドの中で、わたしだけが『不良品』だった。
同じでないことを否定された。人間の同調圧力というのは、本当に恐ろしい。
わたしは静かに目を閉じ、思い出す。
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