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再会
恋人にするなら誰もが羨む美人より、隣にいて安心出来る普通の子の方がいい。
高校の時に友人にそう言われた。
何でかわからないけど、自分もそれが正しい気がして、共感しているように振る舞った。
誰もが羨む美人は誰もが羨むイケメンと付き合うのがルールであり、そこに俺たちが関わることはない。
皆んなそうやって、決められた世界の中で出会う相応しい相手と恋をするのが自然であり幸せなのだと。
そんなことを友人が語る昼休みの教室で、気づかれないように視線を動かす。
窓際の席で楽しそうに笑っている君の姿を、視界の隅に入れながら、呪文のように考えた。
君とは住む世界が違うのだと。
それが全ての答えだと。
誰かが窓を開けると、君の長い髪が揺れていた。それをそっと手で押さえながら、君は一瞬こっちを見て微笑んだ。
その時の光景が今でも脳裏に焼きついていて、時々どうしようもなく鮮明に思い出す。
「七瀬？」
だから５年後にこうして再会した時、君の名前を呼ばずにはいられなかった。
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