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婚姻届の証人。
「私達が……?」
「ええ」
信じられなくて尋ねれば、また笑顔と頷きが返ってくる。
でも。勢い良く顔を向けると、満面の笑みを浮かべる柚子先輩と目が合った。その隣には柚子先輩のお皿にお肉を置いていたのだろう、トングを持つ蓮先輩。
ここには柚子先輩がいる。姫や康介、蓮先輩に雄貴先輩、上の先輩達もいる。
ーーそんな中で私達が証人になってもいいの?
不安が顔に出ていたのか、健司先輩の大きな手が頭に乗せられた。
「どこ見てるんだよ。俺達はお前達二人にお願いしたいんだって」
「でも」
「私達がこうして結婚できるのは二人のおかげだもの。咲希と慧がいなければ、ランク落ちしたまま寮から出なきゃいけなかったかもしれない。咲希がいなければ結ばれる事はなかったかもしれないし、慧が一人で悪者になってくれなければ証拠も掴めなかった。何より、二人がいなければきっと私はまだ脱落者のままで、ここにはいれなかった」
亜実先輩の声は優しいけれど、どこか弾んだもの。
「俺は誕生日が来たけど、咲希はまだ未成年ですよ?」
「わかってるって。ここで書いてもらって、お前達が卒業してくる日に提出しようと思ってるんだ」
「提出して、その足で四人のお出迎えに行くわ。お祝いしてね?」
ここまで言ってもらって、首を横に振る選択肢なんてない。見合わせた慧の顔もどこか緩んでいる。
「私達でよければ」
「俺達でよければ」
声が重なったかと思えば、今度は二人揃って髪を乱された。
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