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事が起きるのは早かった。
「この学園の悪しき風習や変えてほしい事があればどんどん言ってください」
まずは各クラスの担任達が告げた瞬間、次々に意見があがった。
「低ランクは虐められています!」
「全員が使う教室なのに、高ランクは掃除しなくていいなんておかしい」
「普通科は雑用は全部Cランク以下」
「ラウンジなんかも一部の人しか使えないんです!」
「こんなの外の人が見たら絶対におかしいって言います!」
これに慌てたのは教師達だ。
明らかな差別に、生徒達の不満。これが『外』にばれたらまずい。
「わかりました! 至急改善を図ります!」
緊急職員会議とやらが開かれて、あっという間にランク間の差はお小遣いの僅かな差のみになった。
当然高ランクからは不満が出る。クラスでもそうだ。
「私達も掃除しろって事⁉︎」
華が驚いて声を上げると、他の高ランク達も立ち上がる。
「低ランクが雑用するのは当たり前だろ? 給付金だって違うんだから」
「今までの学園を壊さないでください!」
「ふざけるなよ!」
上田侑に位藤可菜、宮野清二。体育科と普通科のAランク三人は鈴木先生を睨みつけた。
「ですがもう決まりましたので……」
鈴木先生は困ったように眉を八の字に寄せて同じ事を繰り返すばかり。
「は? こっちは納得してないのに勝手に決めないでくださいよ!」
「私達Aランクなんですよ?」
煮え切らないその態度に三人の口撃も自然と激しくなった。
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