四、

18/33
前へ
/218ページ
次へ
 テーブルの上にはグラスが七つとクッキー缶、それに蓮先輩おすすめの甘い物が苦手な人向けおかき詰め合わせ。茶葉も姫お気に入りだったものだし、クッキーはこの半年の間にいつの間にかできていた今話題のお店のもの。即席アフタヌーンティーにしては満足のいく内容になった。  アフタヌーンティーとくれば、まず始まるのは女子会だ。 「このクッキー美味しいー! え、でもこのケース初めて見ました!」 「Aランク以上向けの裏メニューだって。華が買ってきてくれたの」 「ありがとうございます! このクッキー、ピスタチオ味だ! これも初めて! 美味しい!」 「でしょー? 高ランク専用品には詳しいんだから!」 「華、ほんとにそういう情報早いよね。限定品とかもいっつも教えてもらっちゃう!」 「噂や流行は追う派だからねー! いつでも聞いてー」  華と眞子もいつの間にか馴染んでいて、会話に花が咲く。そして女子会とくれば、もう片側では自ずと男子会が始まる。 「これ飲むと夏が来たって感じがするよね」  謙太はストローで氷を崩しながらほっと息をついた。 「わかります」 「1年の時から談話室に絶対あったもんな」 「今思うと切らさないように用意してくれてた先輩達、すごいよな」 「確かに」 「感謝だね」  甘いクッキーに慣れ親しんだ寮の味。ゆったりした時間が流れ、興奮も冷めてくる。  そうして始まるのが本題だ。 「で、どうする? 生徒会長」  
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!

446人が本棚に入れています
本棚に追加