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次の日の教室はある意味壮観だった。
「うっわ……」
入った瞬間変な声が漏れたけど仕方ない。こんなの入学してから初めてだ。
「ボイコット?」
「だろうな」
「ま、風通しはいいねー」
クラスの四分の一以上が空席。先端技術科と華を除いたAランクは誰もいないし、Bランクも半分はいない。残ったBランクや尚人達は居心地悪そうにしていて、戸塚達数人だけが楽しそうに会話を弾ませている。
しかも、この現象はこのクラスだけではなかった。
【咲希先輩ー! クラスメイト半分くらいしかいませーん!】
【なんか十人以上休みなんですけど】
【どこのクラスも人全然いません!】
【体育科と普通科の高ランク、結託してボイコットしてます! 特進科もいませんけど!】
ひっきりなしに携帯が震えてメールの受信を知らせてくれる。開いても開いても書いてあるのは同じような内容ばかりだ。
「華、普通科も皆でボイコットしてるってよ?」
「うん、昨日の夜盛り上がってたよ? 勉強遅れてもいいなら勝手にすればって言っといたわ」
「華……」
生徒会役員でAランク。寮長にもなれただろうに、他人にあんまり興味ないの一言で7年生に寮長を譲って副寮長に収まった華らしい。
思わず苦笑いを浮かべたところで、前方の扉が開いた。
「授業を始め……」
鈴木先生の足は教室に一歩踏み入れたところでピタリと止まった。明らかに生徒が少ない教室に戸惑いを隠せていない。
そして何やら携帯を確認したかと思えば。
「緊急で職員会議を行います。自習をしておいてください」
それだけ言い残して、足早に今来た方へ戻って行ってしまう。
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