学園計画６

五、変わりゆく日

　夏休み十日目に企画したのは『寮ごちゃまぜ！　学年ごとチーム対抗ドリームランド文字探しゲーム』だ。
　博には「相変わらずネーミングセンスないな」なんて真顔で言われたけれど、美術センスは８年間頑張っても磨かれなかったんだから仕方ない。大事なのは内容だと思う。

「これから皆さんの携帯にチーム分けと七つのヒントが送られます。チームは学年ごと、四、五人一組でランダムに決まります。それぞれのヒントがドリームランド内のどこかの場所を示していますから、そこにある文字を見つけてください。ゲームの間は妨害電波を出させていただきますので、通信は一切できません。他のチームと協力したりチーム内で別れたりせず、チーム全員で頑張ってください。七つ集めて答えがわかったチームから、近くのお店で内線を借りて私達に電話をして来てください」

「答えを見つけられたチームへの景品はこれだ」

　慧が発したタイミングで片手を動かして全校生徒に最初のメールを送る。一瞬の間の後、歓声が湧き上がった。

【１位：ドリームランド選べる高級ディナーとチケット人数分
　２位：ドリームランド選べる高級ランチと上限千苑チケット人数分
　３位：ドリームランド選べる高級ランチとショップ街指定ブランドから１コーディネート
　４位：ドリームランド選べる高級ランチとショップ街家具店から１点
　５位：ドリームランド選べる高級ランチとショップ街電化製品店から１点
　他正解全チーム：ドリームランド選べるホテルラウンジランチorアフタヌーンティー】

　ランクも勉強も運動も関係ない。全員にチャンスがあり、１位チームはＢＣランクにとっては喉から手が出る程欲しいチケットが手に入る。上位に入らなくても正解さえ出せば全員に景品が出る。
　盛り上がりは最高潮に達した。