446人が本棚に入れています
本棚に追加
/218ページ
「制限時間は午後五時まで。熱中症に気をつけて、水分や休息をとりながら探してください」
「チームの別行動や他チームとの協力、誰かを脅して聞き出すなんて言うのも勿論ルール違反だ。ドリームランドの店員は全員保安員と審判を兼ねているから、見つけた時点で俺達に連絡がきてそのチームは失格にする」
「それでは……ゲームスタート!」
合図と共に今度は慧が二通目のメールを送ってくれる。広場は再び割れんばかりの音に包まれた。
「ねえ! 西澤さんどこ!」
「田所ーっ!」
「あっちで見たかも!」
「チームよろしくね!」
「何番から行く⁉︎」
「これ水族館だよな⁉︎」
皆いち早くチームメイトと合流しようと叫び、動き回る。その中には勿論。
「田辺君よろしく!」
博の姿も。
「あ、結坂さんいたっ!」
心菜の姿も。
「藤峰!」
歌の姿もある。チームはコンピュータでランダムに振り分けた。ランク主義が普通だったこの学園で確執がないわけがないけれど、どのチームも大丈夫そう。早速揃ったらしい哲平のチームなんかはもう走り出している。
そこまで確認してから電波の遮断装置を押した。これでドリームランドは圏外になる。もう誰も連絡を取り合えない。
「どこが一位だろうね」
「うちの寮生が入ってるといいな」
「ね。私達はカメラ映像見ながらお茶でもしてよっか」
「だな」
広場にはまだ半数近い生徒が残っているけれど、ゼロになるのも時間の問題。二人は早々に仮設テントへと引っ込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!