五、変わりゆく日

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 慧は次々に画面を切り替えていく。次に慧の手が止まったのは二つ目のヒントが示す場所の近く、映し出されているのは眞子がいるチームだった。 〈田神さん、ほんとに全然知らないの⁉︎〉  明るくて人当たりのいい眞子は、学年でも人気者らしい。 〈ぜーんぜん!〉 〈そっかー〉 〈残念ー!〉  冗談まじりに笑い合いながら、チーム皆で携帯を覗き込んでいる。さっきのチームとは打って変わって和気藹々とした雰囲気だ。 〈うちの先輩達皆、ズルとか嫌いだもん。寮生には正々堂々と勝ってほしいって思ってるから、博先輩達だって絶対知らない!〉 〈あー確かに。そんな感じだよな〉 〈でもね、大体予想できるんだー〉 〈どういう事?〉  尋ねられると、眞子は画面越しにでもわかるくらい悪戯っぽく笑った。 〈だって、咲希先輩と慧先輩が隠したんでしょ?〉 〈うん〉 〈だったら皆で遊べる所かデートスポットの物陰とかだよ! 高ランクしか行かないサロンとかには絶対ない! 咲希先輩はとにかく全員が楽しめるようにって考えて隠した筈だし、慧先輩は咲希先輩に激甘だもん! 隠し場所を探す時もデートを兼ねてたと思うから、ドリームランド一年ぶりの咲希先輩が喜んでくれる場所中心に行った筈! つまり絶対この先のプールに一つはある! あと水族館とか牧場とか、思い出がある所!〉  二つ目のヒントは砂浜。海に見立てた波のプールの砂浜の中に文字ボードを隠してある。ドリームランドの中には砂風呂や砂のアスレチック広場、砂浜の壁画だってあるから惑わされるかと思ったのに一発で当てられるなんて。 「眞子……」 「よくわかってるな、あいつ」  眞子の推理力を褒めればいいのか自分達のわかりやすさを嘆けばいいのか。二人して何とも言えない表情になりながら、次の動画に切り替えた。
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