五、変わりゆく日

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 寮もランクも関係なく笑い合える学園に。その願いの通り、画面に映る生徒達は皆楽しそうにゲームに参加してくれている。 「藁だって。これ牧場かな?」 「そうでしょ! 懐かしいねー! 皆で行ったの!」 「ほんとに先端技術科って仲いいね」 「うん!」 「ねー!」  同じチームになったらしい花梨と珠里は腕を組んで戯れあっているし。 「割られる薬玉?」 「ショッピングモールとかレストランの何人目のお客さんですってやつかな?」 「いや、あいつらの事だ。多分これ、イルカショーだ」 「イルカショー⁉︎ 水族館の⁉︎」 「ああ」 「好きなの?」 「咲希が好きなんだよ。1年の時から毎年行ってる」  で、慧も毎年付き合ってる。博は理沙達に人の趣味嗜好を暴露して、「意外ー!」なんて笑いに変えてくれた。 「何か思いつく事ないのか⁉︎」 「あるわけないって! 女兄弟の事詳しくわかる男なんていないよ!」 「ほら、双子パワーとかで!」  尚人もAランクと上手くやってくれているみたい。 「よっし! やっぱりあった! 黄色い風船!」 「よくわかったな! ショッピングモールのペットショップなんて……」 「いや、これだけ暑いから外は二、三個だろうと思ってさ。そういえばショッピングモールに風船飾ってる所あったなって思い出したら、咲希先輩毎回ここ寄ってたなって」 「さっすが!」 「本多君すごい!」 「さ、あと二個頑張ろう! 次は海亀の甲羅か……」  哲平は持ち前の明るさとリーダーシップでチームを引っ張ってくれている。
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