五、変わりゆく日

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 先端技術科のテント目前で合流した二人は、当たり前のように手を繋ぐ。哲平が京子の手を引き、京子もそれを受け入れて、すごいスピードでゴールまで駆け抜けた。そして。 〈ゴール! 最終レース一着は先端技術科です!〉  その瞬間、二人は揃ってガッツポーズを決めた。 〈カードは何ですか⁉︎〉 〈卒業後もずっと仲良くしたい同級生です!〉 〈京子先輩は卒業後も哲平先輩とずっと仲良くありたいと⁉︎〉 〈そうでーす!〉  京子の元気な返答に、先端技術科のテントはざわめいた。  まさか京子がそんな事を思っているなんて知らなかった。しかも哲平は驚いていないから、既に気持ちは通じ合っているのだろう。  ーー本当にいつの間に……。 「京子先輩教えてくれないなんて水臭いー! 咲希先輩、絶対お祝いしましょうねっ!」 「そうだね!」  京子と哲平が結ばれたなんて祝わないわけがない。興奮で足をばたつかせる眞子に、こちらも勢い良く頷いた。  だけど京子は戻って来るなり、そんなお祝いムードを笑って一蹴した。 「そんなわけないじゃないですかー!」 「気を使ったりしないでね? 誰も揶揄ったりもしないよ⁉︎」  心配してみても、その満面の笑みは変わらない。代わりに苦笑いを浮かべた哲平が真相を教えてくれた。
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