五、変わりゆく日

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 事前に決めた大運動会のルールは場外で喧嘩をしない、スポーツマンシップに則って正々堂々と戦う、そして一人一回は出場するだ。体育科や普通科も全員出場するという事は、人数の少ない先端技術者は何度も出番がやって来るという事。 「次何だっけー?」 「徒競走ー!」 「あ、俺です! あとは……」 「私! でもちょっと待って、今帰ってきたの!」 「はい、スポドリです!」 「ありがとうー」  必然的に運動神経が特にいい哲平や眞子、花梨や泰雅、コウキ達は大忙しだ。勿論、後輩達だけに負担をかけるわけにはいかないから出れるものには出る。 「あ、次咲希先輩と慧先輩もですか⁉︎」 「うん……走るのそんな速くないんだけど」 「決めたんだからちゃんと出ろよー?」 「わかってるって」  頭を使う系統の競技は事前にルールを知っていると有利になってしまうから出れないけれど、そうでない競技には積極的に参加した。  結局、咲希と慧は徒競走で一着を取ったし、博は綱引きと障害物競争で活躍してくれた。宏太と眞子は二人三脚でぶっちぎりの一位でゴールしたし、華の障害物競争での早着替えは目を見張るものがあった。    午前に七競技、全寮共通の出張レストランの昼食を挟んで午後に八競技。これまでに十三競技を終えて残すはあと二つ。  次はネデナ学園らしく『一流を目指せ! 目利き力競争』だ。
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