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泰雅のファインプレーのおかげで目利き競争は先端技術科の勝利に終わった。ここまでの合計得点も首位。だけど他の寮との差も僅かで、全ては最終競技で決まる事となった。
最後の競技は八人リレーだ。
ルールは簡単。各寮、各学年から一人ずつ、男女四人ずつになるように選手を出して、百メートルずつ走ってバトンを繋ぐ。
先端技術科からは。
「じゃあ、お願いね!」
「はい!」
「行ってきます!」
特に足が速い哲平とコウキを中心に、慧や眞子、花梨達オールスターだ。
「一番手どうする?」
「やっぱり最初と最後の方に固めたいですよね」
「コウキ、スタート頼めるか? その後花梨、眞子」
「はい!」
「了解です!」
「最後俺からの慧先輩でいいですか?」
「哲平、こういうところで気を遣うなって。絶対お前の方が速いんだから、アンカー任せたぞ」
「はい!」
与えられた五分の中で順番を決めて、位置につく。
〈位置について……用意〉
コウキはピストルの音と共に飛び出した。2年生のコウキは決して身長が高いわけではない。周りを高学年に囲まれて、スタート時点では埋もれてしまっていた。だけどスタートしてすぐ頭一つ前に出たかと思えば、数十メートル走ったあたりでコウキの全身が露わになる。
「コウキーっ!」
「いけっ!」
「いけるよーっ!」
自然と応援の声にも力が入る。そして。
「先輩っ!」
「うんっ!」
先端技術科のバトンが最初に繋がれた。
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