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そして、最後にシリーズ物の四冊の本を開いて息を呑んだ。
『奈津実みたいに外で遊びたい。先に生まれてきただけで、何で私なの』
一巻目で飛び込んできたのは母の名前。
『連れ戻されちゃった。でも一生分の恋ができた。嬉しい』
これが二巻目。
『もう思い残す事はないと思ってた。静かに終わりたいと思ってた。だから病気を隠してたのに……ごめんね、赤ちゃん達』
三巻目。そして最終巻は背表紙一面が文字で埋まっていた。
『一樹、秀樹へ
二人に樹の文字をつけたのは大樹のようにしっかり芯がある人になってほしいから、そしてお揃いの物を残してあげたかったから。
お父様は一と秀の字に拘ったけど、一番でなくても、秀でてなくてもいいからね。
せっかくすごい確率の下で双子に生まれたんだから、元気に仲良く、支え合って大きな人になってね。
あなた達には城之内に関係のない所でのびのび生きてほしかった。
ごめんね、見つかっちゃって。
ごめんね、こんなママで。
ごめんね、育ててあげられなくて。
ごめんね、こんな形でしか想いを残さなくて。
でもどんなに離れていても愛してます。
どうかこの手紙を見つけてくれますように。
あなた達のママ・城之内美由希』
全てが繋がった。
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