エピローグ

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 四月は産休中のまどかお姉さんの下で経営と経済の基礎知識の勉強。  五月は園香先輩指導の下、実際に数字の入力やデータのまとめといった事務作業をやらせてもらった。  六月は柚子先輩と蓮先輩について外回り。いつの間にやら姫達の会社の飲食部門で活躍していた二人は、そのフットワークの良さを活かして日に何軒ものレストランを梯子して食べ歩く。特に柚子先輩のアドバイスは的確で、姫の会社のレストランの売上は右肩上がりだと言うから脱帽だ。  七月はシステムエンジニアになった雄貴先輩の下で一日中パソコンと向き合う日々を送った。  八月はそれぞれ姫と康介に付いて秘書業務。膨大な業務量をこなしながらも周りの事を見てくれていて、それでいてほとんど定時にあがるのだから流石としか言いようが無い。  九月はどうやって話をつけたのか、元生徒会・多田有紀子先輩が起こした会社に出向扱いになって、一ヶ月間プログラマーとして働かせてもらった。  十月は在宅勤務で仕事に復帰した海里先輩の手伝い。ファッション部門で働く海里先輩の仕事は多岐に渡って、あらゆるショーや雑誌の研究から店舗のデザインイメージの決定、海外のデザイナーやバイヤーとやり取りして商品を仕入れたり、現地の製作工場とリモートで契約を結んだりするところまでこなしてしまう。  十一月は秀樹お兄さんに資産運用から融資、予算決め、決算書の下書きに至るまで会社経営に関わるお金の流れを徹底的に扱かれた。  そして十二月。 「行ってらっしゃーい」  満面の笑みを浮かべる姫に送り込まれたのは奈津紀先輩や春奈さん達の下だった。六人の仕事は海外での現地法人の立ち上げ。今回の場所は……フランスだ。
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