二、

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 そして。 「いいよ、協力してやる」  城之内が再びやって来たのはその夜の事だった。  不貞腐れた表情でいきなり入って来たと思えばその台詞。だけど怖さは感じない。 「ありがとうございます」 「それで? どうするって?」 「具体的にはまだ何も。二人の目的がわからないので」  だからこそ、真っ直ぐ目を見てはっきり言い切れた。途端に眉間の皺が深くなる。 「は? 人に偉そうに言っておいて?」 「はい」 「何だそれ」 「中間目標とゴールは決まってます。学園で起きている事を公表して、これ以上二人の思い通りにはさせない。それで私は跡取りにもならないし、学園に戻って卒業して、好きな人と生きます。城之内先輩にとっても、二人に一泡吹かせられるっていうメリットはある筈です」  二人の思い通りにはさせない、させたくない。共通点はただそれだけだ。それ以上でもそれ以下でもない。 「それには二人の目的を知る必要があると思います。だからまず二人の目的を調べるのに協力してください」  間髪入れずに喋り切る。  城之内はそんな咲希を何も言わずに見下ろした。だけどそれも少しの事。 「あの人は昔から何を考えてるのかわからない。俺にも勉強の進捗確認以外の話は滅多にしないからね」  そっぽを向いたかと思えば、捲し立てるように話し出す。 「それじゃあ」 「でも、無駄が嫌いなあの人がネデナ学園には定期的に足を運ぶんだ。前は俺達や君の様子を見ているのかとも思ったけど、今もそれは続いてる。どういう事だろうね?」
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