二、

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 それはつまりネデナ学園に何かがあるという事で。 「私を学園に戻してください」  結局、目指す場所は変わらなかった。  城之内は咲希に視線を戻した。 「……君を連れ出せるとしたら一回きりだ。それでどうにかできなきゃ二度と学園には戻れない」 「はい」 「失敗すれば俺は多分勘当、君は要塞送りか下手すれば海外送り、お仲間にも会えない。それでもか」 「はい」  ここにいても何も変わらない。  まどかお姉さんの事を考えたらもう待てない。  そして何より、慧との約束を守りたい。皆に会いたい。  はっきりと頷いた。すると、重いため息が返ってくる。 「次のまどかの授業は」 「え……明後日、お昼ご飯を兼ねて食事のマナーの授業です」 「その後は」 「能と狂言のビデオ観劇です」 「講師は」 「いません。先週習った知識をもとにビデオを見て感想文を書く授業なので」  城之内はもう一度咲希を真っ直ぐ見つめた。学園にいた頃の貼り付けたような笑顔はまるでない。仏頂面に眉間に皺、なのに全然怖くない。そして。 「わかった。ちょうど明後日は城之内グループの周年記念パーティーだ。あいつの襲名披露を兼ねてるから、どうせ俺が出なくても不審がられない。明後日の昼、迎えに来る」  出会って初めて咲希の頭に手を乗せた。
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