二、

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 ーーこの中のどこかにお祖父さんが隠しているものが。  そう思ったけれど、流石はネデナ学園。お金をかけているだけあって一つ一つのパスワードも厳重だ。全て開けるには時間がかかる。ここだといつ見つかるかわからない。  だから手を止める事なく動かして、学園全体の監視カメラシステムを探し出した。  校舎の中、寮の中、ショップ街、本部前に通学路の二本の木がある丘の上まで。城之内の言葉の通り学園内にはありとあらゆる場所に監視カメラがつけられている。その中で二箇所の監視カメラをこの一時間の映像を繰り返すように操作した。  これで時間は稼げる。 「行きましょう」  城之内はもう何も言わなかった。今度こそ家から出て、懐かしい道を歩き出す。白を基調とした中世ヨーロッパ風のお城はすぐそこだ。  監視カメラで誰もいない事は確認済み。だからこそ。 「ただいまー!」  大きな声をあげて大好きな我が家に帰ってきた。 「おい」 「大丈夫です。道中とこの中の監視カメラは全部切り替えましたし、中に誰もいません」 「それでもな」 「あ、一度部屋に戻ります」  呆れたように嗜められたけれど、そんな事は気にしてられない。今度は階段を一気に駆け上がる。向こうも気づいたのだろう、三階に着いた辺りで声が響いた。自然と口角が上がり、走る速度が上がる。そのまま部屋まで駆け抜ける。 「ジスラン!」  扉を開けた瞬間、大きな体が勢いよく飛び出してきた。
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