二、

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 祖父が思い描いた、こうなっていればいいという夢。  祖父にとっての理想。  その題名がNEDENA。   「……足りない文字はG。NEDENAの最後にGをつけて逆から読めばGAN EDEN……エデンの園。ここは……祖父にとっての理想郷」  それならば全て説明がつく。  祖父が私を後継者にしたがる理由も。  この学園にこだわる理由も。  ネデナなんて変わった学園の名前も。  ーー美由紀さんを後継者にするという叶わなかった夢を、私で叶えようとしているんだ……。  行きついて仕舞えばもうこれ以外の答えは考えられない。 「GAN……EDEN……」 「エデンの園……だからネデナ……? 確かに合うけど……」 「それがネデナ学園の意味、か」  あまりに浮世離れした話に謙太に華、博は同じ言葉を繰り返した。だけど城之内と慧は何も言わない。ただ絵画に向けていた視線を咲希へと移し、そして小さく頷いた。  もう間違いない。うるさいほどに心臓が波打つのを感じながらパソコンの前に戻り、『G』の一文字を打ち込んでエンターキーを押した。  画面が変わる。 「何だよこれ……」  現れたのは壮大な計画だ。  あまりの計画に慧は黙り込み、謙太はポカンと口を開け、城之内は静かに納得した。 「あの人はこんな事を考えていたのか……」 【創世計画】  これが計画の題名らしい。
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