二、

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「……咲希は、これからどうする気なんだ?」  一樹はゆっくりと言葉を紡いだ。 「勿論お祖父さんを止めるよ。これ以上学園の生徒に酷い事はさせない」 「……それなら早く行った方がいい。お祖父様のパーティーの名目は僕の披露だけど、資金集めも兼ねてる。……祖父の言う新しい国に賛同する人を集めているんだろうね」  計画が大掛かりになればなる程、止めるのは難しくなるのは目に見えている。慧と顔を見合わせ、頷き合う。 「そうだな、急ごう」 「秀樹お兄さん、車お願いしていいですか?」  バッと体ごと振り返ると秀樹は意味ありげに口角を上げた。 「それより速い乗り物があるだろ」 「え?」 「ヘリコプター、操縦できるんだろ?」  その問いかけは間違いなく一樹に向けられている。 「え、一樹! ヘリコプター操縦できるのかよ⁉︎」 「……まあね」 「絶対それが速えじゃん!」  尚人が興奮気味に食いついたけれど、二人の目が合う事はなかった。それが今の距離感を表しているようでほんの少し寂しいけれど、一樹がちゃんと尚人に言葉を返している。今はそれだけでいい。 「操縦士はあの人の息がかかってるだろうから使えない。お前が操縦するのが手っ取り早い」 「一樹、お願い! 私達を連れて行って」 「……わかった、いいよ。ヘリコプターは六人乗りだ、どうする?」
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